車検はどこで受けられるのでしょうか?まず知っておきたいのは、車検というのはあくまで“検査”のことを指し、故障した部品を取りかえたりする“点検整備”とは別のものだということです。
まず一般的なのは民間の機関です。国から認可をうけた整備工場や、自動車販売店(ディーラー)、カーグッズ量販店などでも車検をうけることができます。これらの車検サービスは多くが“点検整備”とセットになっており、不良個所などについても整備士さんからいろいろアドバイスを受けることができますので、車にあまり詳しくない人でも安心して任せることができるでしょう。
また、車検だけを専門におこなう“車検代行”というところもありますが、こちらは車検という“検査”だけを扱っており、基本的に“点検整備”は行いません。修理部品代・整備代がかからないぶん、安く車検をすませることができますが、その一方で修理すべき個所を放置してしまいがちです。日頃からマメに点検整備をしている人・点検整備の知識がある人向けということができるでしょう。
ガソリンスタンドなどでも車検を受けつけているところがありますが、多くは車検代行業者への仲介をするものです(一部、ガソリンスタンド自体が整備工場も経営しており、民間整備工場として車検・点検整備を行ってくれるところもあります)。
いずれを利用する際にも、わからない点は質問し、自分にあった業者さんに車検を依頼することが重要です。
そして、点検整備が自分で行えるという人は、公的な機関に直接車両を持ちこんで車検を受けることもできます。この場合、法で定められた費用以外、費用が発生しませんので、もっとも安上がりです。お住まい近くの「運輸支局」や「自動車検査登録所」が便利でしょう(軽自動車は「軽自動車検査協会」へ)。
大切な愛車、車検では様々なところをチェックされるわけですので、信頼できるところに車検をまかせたいものです。では、どうやって信頼できる業者を選べばよいのでしょうか?いくつかのポイントをご紹介したいと思います。
●見積もりをしっかりとってくれる
見積もりを出す様子を観察してみましょう。見積もり時に、ほとんど触らないのに、詳しい見積もりが出せることはありません。
●料金の説明が明確である
車検にかかる費用は、車種などによって大きく異なります。見積もりを出してもらったときに「項目数が多くて分からない」「専門用語が多くて分からない」と思ったらどんどん質問しましょう。質問にたいして丁寧に答えてくれる車検業者が良いと思われます。
●信頼できる技術がある
これは業者を一見しただけでは判断しにくい問題ですが、安さにつられて車検を依頼したら、車輪のボルトが折れて返ってきた、などというトラブルも中にはあるようです。車検代行業者はたくさんの車検を引き受けているわけですので、そういった細かな部分まで丁寧に対応してくれる業者が良いでしょう。
●ディーラーに依頼する
どこの代行業者が良いのかわからない、となれば、その車を専門に扱っているメーカーディーラーが一番良いと思われます。ディーラー車検の場合、システムで体系化されているため、料金が他と比べると高くなってしまいがちですが、後に不具合があった場合などに無償で対応してくれる可能性も高いのです。普段使っているディーラーの対応が日頃から不満足であるというときには、同じメーカーの別のディーラーに車検を依頼する・別のメーカーに依頼してしまう、といった手もあります。どこのディーラーでも、やはり車メーカーは評判を落としたくないものですので、丁寧に対応してくれる可能性が高いです。
以上、いずれのポイントも、重要なのは「丁寧に説明してくれること」です。できるだけ安く、と依頼しているのに、“洗浄”など、絶対に必要ではないものまで見積もりに計上してくるような業者は考えものです。また、部品によっては、本当に交換が必要な場合もあります。丁寧な車検業者はひとつひとつ説明してくれますので、そういったところの方が気分よく車検の時間を過ごせるでしょう。
車検を受けることができる民間の機関には「認証工場」「指定工場」があります。よく似た名称で区別しづらいのですが、それぞれ意味合いが違います。
●認証工場
運輸局長の認可により、自動車の分解・整備を事業としている工場です。車検を依頼すると、点検や分解整備などは自社でできますが、その後は陸運支局などに車をもちこんで車検を受けることになります。この“認証工場”がとくに優良だと認められると“認定工場”になります。“認定工場”も設備面などでは認証工場と変わりません。
●指定工場
別名、“民間車検場”ともいい、車検ラインを持ち、車検に関するすべての作業を行うことができる工場です。点検や分解整備をすませた上で車検を行い、陸運支局に書類を提出するだけで済ませることができます。ディーラーなどは、ほとんどがこの指定工場です。以前は指定工場になるためには“認定工場”である必要がありましたが、いまは認証工場であっても指定工場になるための試験を受けることができます。
また、補足として「特定指定工場」というのもあり、これは認証工場がほかの指定工場などと検査ラインを共有することによって取得できます。
では、車検を任せるには認証工場と指定工場のどちらが良いのか、というと、一概にいうことはできません。車検ラインをもたない認証工場でも、地域に根ざした職人的なサービスを受けられるという期待がありますし、車検にかぎらず普段の点検整備も任せやすいことでしょう。一方、指定工場は、やはり整備などに関して実力があり信頼性が高いですが、そのぶん点検内容なども厳しくなる、といったことがあります。場合によって2種類の工場を使いわけるのもいいかもしれません。
ユーザー車検とは、「自動車のユーザー自身が点検・整備をおこない、車両検査だけを受けにいくこと」を指します。点検・整備の済んだ車を陸運支局などに持ちこみ、自分で書類を作って車検を受けます。車検が近づくといろいろなところで目に入るこの「ユーザー車検」ですが、メリット・デメリットがありますのでご紹介します。おもに「点検・整備の必要がない新車」「車に知識のある人」向けなのがユーザー車検です。
●メリット
ユーザー車検の最大のメリットといえば、なんといっても“費用が安くすむこと”です。車検にかかる法定費用のほかには30円程度の書類代だけで済むのです。また、事前にユーザー自身で車の状態を確認しますので、愛車への理解が深まることでしょう。車にくわしい人には持ってこいの受験方法といえます。
●デメリット
安上がりな一方、点検・整備を自身で行わなくてはならない、というのがネックです。点検・整備を業者に依頼する、という方法も考えられますが、そうすると「点検整備+車検代行」のセット料金のほうが安くあがる、といったことになるかもしれませんので、費用をおさえた意味がありません。また、自身で点検・整備をする場合、よほど車に対する知識がないと不備が起こりがちですし、メーカーや整備工場の保証を受けることができませんのでその後の安全や快適さに影響することでしょう。さらに点検・整備を自身で行う時間、陸運支局などの車検場は平日昼間に行かなくてはなりませんので、その時間も必要です。
●ユーザー車検代行とは?
ユーザー車検代行とは、車検を受けるときに必要な手続きを代行する業者です。あくまで“手続きを代行するだけ”なので、点検・整備はもちろん、不調部品の交換なども一切行いません(オプションになります)。おどろくほど安い料金が提示されているのは、法定費用や点検整備代などが含まれていないからです。よく確認しましょう。
●ユーザー車検を受ける場合の準備
①点検整備など
車の点検整備をしておきます(この際、車の下回りなども洗浄しておくと、検査官の心証がよくなるそうです)。車検に必要な書類なども、不備がないか確認しましょう。
②予約
陸運支局などへの予約が必要です。管轄の陸運支局などに電話して予約するか、インターネットでも予約ができます。
③書類購入と下見
当日に書類を購入すると、慣れない人は記入に手間どってしまうでしょう。事前に陸運支局などに出向き、書類を購入などしつつ検査ラインの下見をすることをオススメします。また、“予備検”“テスター”などの場所も確認しておきましょう。ライト光軸などのデリケートな部分は当日調整したほうがいいので、車検を受ける直前に立ち寄ることになります。